ティクトが導入してから、瞬く間にライトゲーム界を席巻したエステルライン。
ナイロンやフロロカーボンユーザーは少数派となってしまいました。
10数年前、私が釣りを始めた頃、PEラインはまだまだ高価であり、私の周りもライトゲームはフロロカーボンが主流、ナイロンが少数と言う状況でした。
今では考えられませんが、フロロカーボンの4lb(1号)が極細ラインと言われていた時代なんですよ。
そこからどんどん細フロロ競争が始まり、私も1〜1.5lb(0.3〜0.4号)のフロロを使った事もありました。
フロロの利点は摩擦に強いので、根に潜らないアジであればリーダーを結ばなくても何も問題がなかったこと。
しかし、細くなればなるほどデメリットも大きくなります。
伸びです。
一般にはナイロンは伸びる、フロロは伸びが少なく高感度と言われていました。
しかし、フロロ自体基本的に伸びますし、1〜2lbともなれば、ナイロンに負けず劣らず伸びが出ます。
ラインは細くなればなるほど飛距離も出ますが、伸びもそれだけ多くなるんですね。
また、あまり認識されていませんが、同じlb数であればナイロンラインの方が細いのです。
▼フロロカーボンライン
▼ナイロンライン
同じ会社の製品の比較ですが、これだけ差があるのです。
そうなってくると、極細フロロカーボンのメリットって???となります。
比重は1.8と重いので、ナイロンより飛距離が落ちます。
同じ号数ならナイロンの方が強度もあります。
細くなってもフロロには糸癖が付きます。
ナイロンより扱いづらくなるんですね。
ライトゲーム界隈では、ナイロンは吸水して劣化するし、初心者が使うもの、みたいな言われ方をしていますが、私はよく出来た極細ナイロンラインは非常に扱いやすいと思います。
逆にフロロはある意味神格化され過ぎていたような気さえします。
このあたりは使って比較してみなければ解らない部分も多いですけどね。
フロロは単体で水に沈む高比重なので、ボトム狙いのアジ用。
ナイロンはやや沈み難い比重なので、表層狙いのメバル用と言う解釈のされ方もしていましたが、私が最近どちらも1000番台リールで使ってみた結果、実は扱い易かったのはナイロンの方でした。
同じ2lbだと、フロロは巻き癖がついたり、バックラッシュしたりと、ライントラブルも多かったです。
では、フロロは使えないか?と言えばそんな事はなく、強風の吹き付ける冬季のメバリングでキチンとボトムをとりに行けるのはフロロだけですし、藻や岩礁に擦れながら、ラインブレイクせず根魚を引きずり出せるのもフロロの長所です。
それぞれがもつ特性を理解した上でラインを選択すべきなんですね。
最後にスプールへのラインの巻き方について。
しなかやさが売りのナイロンラインはスプールに巻けるだけ巻いても大丈夫です。
これはPEも同じで、コシのないラインほどスプールの縁いっぱいまで巻いても問題はありません。
いっぱいまで巻かないと、その分キャスト時には抵抗が増えて飛距離も落ちます。
逆にコシのあるフロロや若干コシのあるエステル、ハイブリッドPEなどは、新品時はラインが真っ直ぐになろうとするし、スプールに馴染むと電話線のように糸癖が付きます。
したがって、まず最近流行りの1000番クラスなどの小径スプールに巻くと、かえってトラブルが増します。
コシがあるラインは糸癖を可能な限り回避する為に、径の大きなスプールに巻くようにしてみて下さい。
又、スプール糸巻き量は全体の8割程度で抑えておくと、トラブルも減らせますよ。