悪名高き二大ダイワ病
①ベール下がり
②ローター逆転
廉価機種から上位機種までほぼ100%発症するダイワユーザーには頭の痛い問題。
10年使い込んだ12レガリスも例に漏れず、①②共に発症してしまいました。
まぁこの12レガリスに関して言えば、途中数年はかなり雑な扱いをして来たし、ロクにメンテもしてない期間があったので、十二分に持ち堪えてくれた方ではないかと。
しかし、どちらのトラブルも致命的なため、両方同時に改修する事にしました。
まずは①のベール下がり
リールを横から、ベールアームを手前にして見た時に、元は青いラインの位置だったベールが、赤いラインの位置まで下がってしまう病気。
原因はベールアームが、ローターに内蔵されているスプリングによって、常に上に押されている状態となるため、ベールアームを返す度にアームの穴(ネジの部分の穴)が摩耗、もしくはローター側のネジ込み部分が摩耗する事により、遅かれ早かれ、時間の経過と共にベールが下を向いてしまう。
私の12レガリスの場合は後者でした。
矢印の部分がかなり摩耗しています。
これが有名なダイワ病。
では、それによってどんなトラブルが起きるのか?
ベールが傾く事自体にはさほど問題はないように思えますが、実はどちらにせよ摩耗が起こると、ベールアームが元の位置より上にあがってしまいます。
問題となるのはココ。
ラインローラーの位置が元より高くなると言う事は、ラインを巻き取る…つまりスプールに巻く位置が高くなってしまうと言う事。
そして、最終的にラインをスプールに巻けなくなり、ライントラブルが頻発するようになります。
どんなにグリスアップしても使えば使うほど劣化して行くので、避けられないトラブルです。
よく見る対策として、ベールアームのストッパー位置にスペーサーを噛ませ、無理矢理ベールを水平にしたり、メインシャフトにスペーサーを噛ませ、ラインを巻く位置を調整したりしているのを見かけますが、ベールアームやローターの摩耗が改善された訳ではないので、根本的には改善されません。
今回私は、ホームセンターで売られている直径6mmのABS樹脂製のパイプで修理をする事にしました。
ベールアームの穴の大きさは直径6mm強。
何も手を加えなくともキレイにハマります。
ベールアームと同じ厚みを切り出し…
ABSパイプの外側には手をつけずに、内側を強度が保てるギリギリまで切削。
また、ローターのネジ込み側の外径も、パイプに合うようにリューターで地道に切削していきます。
この時、摩耗が進み易い下側を厚めに残して切削しておきます。
少しでも摩耗によるトラブルを遅らせる為です。
ギリギリ嵌るまで切削したら、パイプをローターネジ込み部に接着剤等は使用しないで力尽くで押し込みます。
接着剤を使用しないのは、次回ダイワ病が発症してしまった時の為です。
それまで12レガリスが使用可能かどうかは不明ですが…💦
グリスアップして組み直したら、無事ベール下がりのダイワ病が解消されました。
これで暫くはベール下がりは起こらないでしょう。
上手くやれば、ココをベアリング化する事も可能かもしれませんね。
(*ローター本体を削る事になるので、決してオススメ出来る方法ではありません。
古い機種なので思い切って切削出来ました。)
次回はダイワ病②ローター逆転の改修です。