アジの産卵から孵化、仔魚期や稚魚を調べているとこのような写真やスケッチを見つけました。
30万個もの卵から孵化するアジですが、孵化後3mmの大きさになるまで1月以上かかるそうです。
その間遊泳力のないアジたちは海流、潮流に流され成長します。
5mmほどまで成長したアジ。
この時点ではまだ成魚には似ても似つかない姿をしていて、鰭なども不完全な状態です。
そこからやっと鰭が形成され、15mmほどでなんとなくアジっぽさが出てきます。
生後2か月が経過し、60mmを超えてくるあたりから、徐々に鰭が完成していき、遊泳力が付き、他魚種の仔稚魚を餌とするようになります。
マアジの稚魚。
成長したとは言え、まだ鰭の型は成魚とはかなり違いますね。
マアジの特徴であるゼイゴや湾曲した側線も不明瞭です。
尾鰭が二股に割れ、側線が湾曲してきた稚魚。
やっとアジと言われてそうかも…と思える形となりますが、ここまで4か月はかかります。
その間にも他魚種に捕食されたりしてかなりの数が減るそうです。
1匹のアジから産み落とされた30万匹のアジは、若魚と呼ばれるまでに実に90%以上が命を落とすそうです。
こちらはマアジの成魚。
仔稚魚からは想像も出来ないくらい立派な姿になるんですね。
さて、実に興味深いマアジの産卵からの成長ですが、考えてみれば、マアジに限らず他の魚や海洋生物だって1年のうちどこかで産卵し沢山の仔魚が産まれてくる訳です。
写真やイラストにもあるように、仔魚の大きさは数mm。
所謂動物性プランクトンに分類されるものでもある訳です。
今までプランクトンを偏食するマアジはワレカラやカイアシ類をメインに捕食していると思っていましたが、イワシの仔魚などが居れば当然餌として捕食しますよね。
それらが発生する場所はマアジにとっても餌場となる訳で、アジが好む餌となる魚の産卵時期や産卵場所なども探していけばアジとの遭遇率を上げられるかもしれません。
瀬戸内海ではやはりカタクチイワシなどがメインベイトとなっていそうですから、それらの生態もよく良く調べてみると、新しい発見があるかもしれませんね。