ダイバーさんが良く言う春濁り
季節が春を迎え、気温、水温共に上昇してくると、海水が濁ってくるそうです。
継続的な事もあれば、海流に流され数日で消える事も。
この現象は、植物プランクトンの増殖によるもの。
アジングには非常に重要な現象なので、頭の隅に入れておいて損はないかと。
これがどのようにアジングに関連してくるかを図を使って解説していきますね。
まずは真冬の冷たい海から。

冬の間北風で冷やされ続けた表層の海水は、海底付近の栄養塩の多い海水と入れ替わるような鉛直方向への移動を行い、表層水と底層水が混ざり合います。
冷たい水が下へ、暖かい水は上へと移動する理科の実験で学ぶアレです。

更に山や森から栄養塩を含んだ水も流れこみますので、栄養塩は全層に行き渡ります。

冬は海全体の栄養塩が豊富。
ですが、水温や日照の関係で、植物プランクトンは増殖しないんです。
そして春になり、陽が差し込み、水温も上がってくると、植物プランクトンが増加して来ます。

栄養塩は全層にあるので、水温など、条件が整った表層から順に増殖します。
コレが春濁りと言われる状態。
一つ大事な事は、この植物プランクトン。
増殖する為に栄養塩を消費します。
つまり、あまりにも増えすぎると栄養塩の無いスッカスカな海になってしまうんです。
なので季節が進むにつれて表層から徐々に栄養塩がなくなり、プランクトンも表層から居なくなります。

そうすると、表層の透明度があがり、陽の光がより深い場所に届くようになります。
こうなって来ると、プランクトンが増殖する層が、中層、底層へと徐々に移行して行きます。

コレが春濁り後の海水の透明度が上がった状態。
つまり、浅い場所に植物プランクトンがいなくなるんですね。
ただし、陽の光が届く範囲まででしか、この現象は起こりません。

植物プランクトンは栄養塩、光、温度、全てが揃わないと増殖しませんから、光の届かない深さでは増殖しないのです。