雨の中で長時間のスピニングリールの使用は水没と同じレベルになるのではないでしょうか。
防水対策の無い安価なリール愛用者である私ですが、それでも大事なタックルを雨に晒して壊したくはありません。
そんな訳で、防水対策実験用として、安価なリールを更にお安くメルカリでGETして来ました。
昨年末購入したものと同じ、ダイワ 16リーガル2004Hです。
傷、汚れありの中古品ですが、過酷な環境で使う為のものなので、問題はありません。
どうせバラして組み直しますしね。
さて、このリールの浸水しそうな箇所を調べて行きます。
①スプールとドラグの隙間。
ここからの水の侵入はドラググリスの流出に繋がります。
②スプールとローターの隙間。
ここから侵入した水は、ローターナットの隙間やナットのロックビスの穴からボディへ入り込む可能性があります。
③ローターとボディの隙間。
ここから侵入する水が1番厄介。
オシレートギアやインフィニットストッパーなどへの浸水も考えられるので、特に気をつけたいところ。
ここをカバーしているのがマグシールドな訳ですが、そんな高価なリールは貧乏アングラーには高嶺の花子さんです。
④逆転防止レバー
使用頻度は少ない箇所ですが、明らかに開口部が大きいので浸水は避けられません。
⑤ハンドル固定ネジ部分。
ここもボディ内部へ水が入る原因の一つ。
ベアリング搭載機種なら錆にも繋がるし、更に内部に浸水すればグリスやギア関係にも影響します。
⑥エンドキャップ付近
エンドキャップ付近も内部への簡易グリスアップの為の穴が設けられている為、浸水の可能性が高い箇所です。
⑦分割ボディの合わせ目
パッキンなどがあるわけでもないので、どうしても組み付け精度が悪いと浸水しやすい部分です。
他にもラインローラーやハンドルなども浸水の可能性はありますが、安価なリールはベアリングではなく、プラスチック製のカラーが使われているので、そこはあまり気にする事はないかと思います。

図の赤い部分に防水の為に、耐水性の高いグリスを塗って行きます。
使用するグリスは耐水性に加え、耐熱性なども備えたウレアグリス。
耐水性のあるグリスの中では、1番リーズナブルな価格で手に入るものになります。
価格を気にしないならスルホン酸カルシウム系や、フッ素樹脂系のグリスであれば、もっと耐久性が上がります。
工場などで高温、高湿、水に晒される場所にも利用されているものですので、耐久性は高いグリスです。
ある程度バラした上で、兎に角浸水しないように、盛り盛りにして組み直します。
内部のギアに錆等はありませんでしたが、クラッチ付近のグリスが赤茶色っぽくなっていたので、錆びが出ていたのかもしれません。
一旦外して、パーツクリーナーで洗浄しましたが、雨の中での使用や、普段使いでも使用後にメンテナンスしないと、こう言ったところから錆びて行くのかなぁ…と考えさせられました。
幸い、まだシャリゴリ感は無く、逆転現象も出ていないので、使用には問題ないと思われます。
組み直した状態がコチラ。

次回以降、雨の日に実戦投入して状態を見てみようと思います。
実際にはマグシールドの使用感に不満を感じて取り払う方も多いようで、耐水性グリスで代用される方も多いんだとか…。
実験リールを購入する際、中古のフリームスが¥5,000程度で出品されているのを見て、随分思い悩みましたが、上記③のみ防水、且つ耐水性グリスで代用可能と言うなら、わざわざ¥5,000も出す必要はないのかな…と思った次第。
リールって結構高額な物も多いので、雨でも気にせず使い倒せるスピニングリールってなかなか無いですよね。
現行品では、PENN Authority 「IPX8 sealed body and spool design」と言うモデルがサブマージブル(沈められる)仕様として販売されていたりします。
まぁ水没させるような使い方はしないし、オフショア用でしょうから買うことはないですが、どのような技術なのかは興味ありますww