デイアジ初心者の雑記帳

アジングを中心に、お手軽お気楽な釣りについて綴っています。

藻ではなかった

お盆になると死者の魂が海から帰ってくる。
お盆に海に近づいてはいけない。
小さい頃に、そう言われて来た人は多いのではないでしょうか?

小学生のS君とR君は友人で、よく一緒に自転車をこいで釣りに出かけていました。
その日は8月13日。夏休みと言う事もあり、夕方から少ない小遣いで買った新しい釣具を持って上機嫌で釣場に向かいました。
日が沈みましたが、暗いながらも常夜灯が2本あるので、そこまで危険を感じなかったそうです。
釣り始めた直後からS君にはよく魚が釣れ、隣に居るにもかかわらず、R君にはあまりアタリがありません。
R君は1人、少し暗い方へ移動してみることにしました。
すると、時折藻が掛かるものの、S君より良型の魚が釣れます。
R君は嬉しくなり、釣り続けました。

暫くしてもR君が帰ってこないので、S君は懐中電灯を手に様子を見に行く事にしました。
R君のところに着いて彼のバケツを見てみると、3匹の大きな魚が入っています。
「なんだよ〜大きなのが釣れるなら教えてくれよ〜」
「えへへ。実はあの桟橋の横に投げるとデカイのが来るんだよ」
R君が得意げに話していると、すぐにヒット。
「来た!デカいよ!」
2人の期待が高まります。
隣で見ていたS君が懐中電灯で釣り糸の先の海を照らしてみると、キラッと魚体が見えました。

そう深くない場所に白っぽく見えます。

しかし、次の瞬間2人は気づいてしまいました。

それは魚体ではなく人間の顔だったのです。

そこには血の気のない女の人が水中からこちらをじっと見ている姿が。

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2人は悲鳴を上げて逃げ出しました。
道具も何もかも投げ出して、必死で自転車を漕ぎました。
S君の家のほうが近かったので、2人は血相を変えて転がり込みました。
S君の父親が、只事ではないと思い、2人を落ち着かせ話を聞きましたが、事故や事件の可能性も考え、警察に連絡したそうです。

その後、S君の父親は2人を車に乗せ、警察と現場に向かいました。
現場にはブルーシートが出され、女性の水死体が上がったと伝えられたそうです。
R君の釣竿も一緒に回収されましたが、ガイドやリールには、その女の人のものと思われる髪の毛が巻き込まれていたそうです。