漁港に設置してある常夜灯。
大きく分けて白色とオレンジ色、2種類の色があります。
今回は、そんな常夜灯の色とアジングについて。
LEDが普及する前、常夜灯と言うのは白色の水銀灯とオレンジ色のナトリウム灯が主流でした。
田舎の漁村などでは、小さな蛍光灯が常夜灯として設置されている事も多いですよね。
これらは最近、老朽化や省エネ目的で順次LEDへと交換されて行っています。
オレンジ色のLEDもあるようですが、交換設置される常夜灯は大概白色。
少しずつ白色LED灯の割合が増えているのが現状です。
釣人の間ではどちらが釣れるか議論となることもあるようですが、私の経験から言えばどちらも釣れます。そんなに差があるとは感じません。
ただ、水中でのワームの見え方などは変わってくるので、投入するワームカラーや形状は気にした方が良い要素かもしれませんね。
まず、それぞれの灯りの特徴から
【水銀灯】
可視光線比で、紫外線、赤外線ともに放出量が多いです。
照射対象への放熱率も60%と高く、輝度は高いのですが、光束密度の低い拡散光です。
色温度は4100~5000K。
【ナトリウム灯】
可視光線比で紫外線放出量が少ない光です。
照射対象への放熱率は45%。輝度は高いのですが、光束密度の低い拡散光です。
色温度は2500~2800K。
それぞれの違いでアジングに影響してくるのは紫外線量。
水銀灯は昼光色で明るく、夜間でも物体をハッキリ見せてくれますが、紫外線放出量が非常に多いです。
紫外線量が多いと、虫が寄りやすいと言うデメリットがあるそうです。
コンビニや厨房などに設置されている殺虫ライトは、昆虫のその性質を利用したもの。
逆に言えば紫外線が見える生物にとっては立派な灯りと言うことになります。
オレンジ色のナトリウム灯は紫外線量が少なく、色温度も低いため少し暗くはなりますが、物体のシルエットをハッキリ見せる性質があります。
紫外線量が少ないので、虫も寄りにくく、農道などに使用されていますね。
トンネルでも多く使われていますが、色温度が低い光は煙(排気ガス)や霧などでも乱反射しづらい性質を持っているからです。
(車のフォグランプが黄色いのはそう言った意味なので、ドレスアップ目的で青白い光に変えてしまうと霧では効果を発揮しませんww)
濁った水の中ではナトリウム灯の方が深い場所まで届いているのかもしれません。
余談ですが、演色率と言うものがあって、100に近いほど、魅力的に見せる効果があるようですが、水銀灯が40に対しナトリウム灯は85だそうです。
暖色光のほうが、食事がおいしそうに見えるのも、この効果なんですね。
さて、以上のことから、紫外線を発する水銀灯、発しないナトリウム灯と言うことが解りました。
と、言う事で、紫外線発光(ケイムラ)するワームは水銀灯下で効果を発揮すると言うことではないでしょうか?
ナトリウム灯下では、ワームの色よりもシルエットのほうがハッキリ出るので、ワームの形状、大きさを意識してみるのも良いかもしれません。
ちなみに最近増殖中のLEDの特徴は以下の通り
【昼光色LED】
可視光線比で紫外線、赤外線ともに放出量が少ない光です。
照射対象への放熱率はほぼ0%。輝度は高いのですが、光束密度の高い点照射の光です。
色温度は4500~6500K。
水銀灯と同じような白色光ですが、紫外線量が全然違います。
又、拡散する光ではなく、直進性の高い光なので、明暗の境はクッキリ出ます。
発光効率も高く明るいです。
虫も寄りづらければ、諸費電力も小さく、人間にとってはメリットだらけ。
しかし、紫外線に寄っていた動物性プランクトンが寄らなくなる可能性も高くなりますし、アジも紫外線が見える生物なので、紫外線下だけで見えていたベイトが見えなくなると、寄らなくなるかもしれませんね。
さて、色々な効果のある常夜灯。
あなたは何処でアジングをやりますか?
私は何故か落ち着くので古い蛍光灯やオレンジ色のナトリウム灯の方が好きです。
随分減ってきましたけどね…。